現実と友愛の狭間で~とても良い宗教家鳩山由紀夫

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 鳩山由紀夫の所信表明を読んだ。無血の平成維新とは大きく出たものだが、維新の中身は弱者に配慮、コンクリートから人へ、絆を取り戻せ、と「友愛」が満載だ。ずいぶんと内向きな維新ではないか。明治維新で言えば攘夷派が政権を取ったような話だ。

 「人間の究極の幸せは4つです。愛されること、ほめられること、役に立つこと、必要とされること。働くことによって愛以外の三つの幸せが得られるのです」という言葉を引いてコミュニティの再興を訴える鳩山は、果たして政治家と言えるのだろうか。寺の住職の言葉らしいが、その通りだ、日本では宗教家でないと普通こんな事は臆面も無く言えないものだ。
 良心に満ちあふれ、希望に満ちあふれている鳩山の演説には、アメリカの大統領にも類似するヒューマニズムを感じる。
 アメリカの大統領は、就任式の際に聖書に手を当てて宣誓するし、家族揃って公式の場に出ることも多い、神を敬うことと、家族を大切にすることは、アメリカ人の大切な価値観なのだ。
 日本は職場に家庭を持ち込むことを恥ずかしがり、避ける風土がある。離婚し、常に孤独な為政者だった小泉純一郎はそれが故に、小泉劇場を創り出し、絶大な支持をうけたが、多分アメリカでは支持されないのではないか。

 と書くと、「アメリカ型の新しい政治家」とステレオタイプな批評になりかねないが、野党時代からの門きり口調な言い回しは相変わらずだ。今回の演説も何も楽しそうに見えない。思い詰めたような表情で機械語をしゃべるような演説の様は、まさに宇宙人の面目突如といったところか。小沢一郎といい、菅直人といい、なぜ民主党はこうも陰性の人間が権力を握るのだろうか。

 「ヒトラー・ユーゲントがヒトラーの演説に賛成しているような印象を受けた」
と評した谷垣のセンスのなさは政治家としては病的だ。
党の再生という重責を担っているはずなのに。
自らの党がやってきた事を鑑み、反省していたらこのような言葉は出ない。

 弟の鳩山邦夫の、「若い女性向けの少女マンガのシーンみたいな話ばっかりだ」「社会主義政権を美辞麗句で表現したのが今日の所信表明演説で、兄の本意だとは思えない。兄は社会主義者ではないから」というのは、的を射ているのかもしれない。鳩山由紀夫の利点も欠点も見続け、結果的に袂を分かっただけある。ただし、邦夫にも(多少由紀夫より泥臭いが)その気はあるのだが。

 鳩山由紀夫の言葉はとても美しく、理想に満ちあふれていた。
しかし予算の概算要求は95兆円を超え、年金問題は何をやっても解決の目処が立たない。ダムを造っても、造らなくても困る人がいる。
 何をやっても政治は人を苦しめる。人々の苦しみを思い量りつつ、決断を下し、全体にとって少しでも良い未来を勝ち取るための決断を下すのが政治だ。

 鳩山由紀夫は間違いなく、新しいタイプの政治家だ。現実と友愛の狭間で何かを勝ち取れるのだろうか。

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このページは、管理人が2009年10月27日 02:13に書いたブログ記事です。

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