今時政治犯として2年投獄され、現在に至るも、反体制知識人。
-2007年東京都知事選挙の外山恒一の政見放送
外山恒一が政治犯なのかはともかく、
久しぶりに日本に「政治犯」が生まれてしまった。
ある国の政治体制の中で「反政府的」とされる態度・言動をとったり、「反政府的」とみなされる組織をつくるなど革命運動・抵抗運動・反政府活動を展開したことが元で、政治的理由で逮捕状が出されていたり、刑務所・収容所などに収監されている者
(wikipedia)
と定義される政治犯という概念に、
8/30に民主党が政権をとってからの西川善文は、ぴったりと当てはまる。
今年の5月に民主、社民、国民新の野党3党の有志議員が、
かんぽの宿疑惑の際、西川を「特別背任未遂罪」の疑いで東京地検に告発している。
告発している議員を見ると、
原口一博(現総務相)、松野頼久(内閣官房副長官)も名を連ねている。
総務大臣や内閣官房副長官が
犯罪者と告発した人物が、政府が100%出資している企業で
社長をしていてしまっては、
政治的一貫性が問われてしまう。
西川は久しぶりに政治が生んでしまった「政治犯」であったのだ。
民主党が政権を取った後、西川が強気だったことの方が、
むしろ私にとっては意外であった。
竹中平蔵が小泉純一郎の退任とともに、
政治から逃げられたのとは対照的に、
西川はその後の混迷する政治の中、
政治任命された経営者として郵政の課題に取り組んできた。
金融では投資信託の販売、独自のクレジットカード事業の立ち上げや、
スルガ銀行との提携で住宅ローンやカードローンも郵便局に持ち込んだ。
宅配便事業での日本通運との統合や、ANAと組んでの国際貨物航空会社設立、
など、成功率は五分五分と言ったところだろうか。
不採算のかんぽの宿の売却問題では土をつけたものの、
「民間でできることは民間へ」という当時の政治テーマに従い、
DHLを買収して国際物流グループに成長したドイチェポストのような
飛躍を夢見ていたはずだ。
しかし、郵政は公社化、民営化されても、
常に政治問題であり続けた。他の金融機関や物流会社にしても、
選挙結果次第では、経営トップの首が飛び、再び国営企業に戻りかねない、
日本郵政を忌避するのは、無理もない話だった。
民間企業でも、国営企業でもない、あいまいな形で、
日本郵政の舵取りを任された西川、
住友銀行時代に多くの問題企業を再生させ、
三井銀行との合併を主導した切れ者も、
郵政にはいってからの行動には、どうもキレがなかったように思える。
「弱者切り捨て」と批判され、経済合理性を持った判断はできなかった。
「分割民営化」にこだわった小泉の意志に従い、
狭い郵便局を2つのパテーションで3つに分けざるを得なかった。
郵政民営化に賛成した政治家も、反対した政治家も、
この結果には、厳粛にならなくてはならない。
十分な活躍の場を与えられなかった小泉、竹中の罪は重い。
特に竹中は、参議院議員の任期途中で職を辞するという
「敵前逃亡」を行い、西川を裏切った。
彼は政治的な動きをする学者ではあったが、
最後まで政治家にはなれなかった。
一方で鳩山邦夫は、自身の政治的アピールのために、
西川を脇役として登場させた。
重ねて言うが、西川は政治家ではなく、経営者なのだ。
西川が経営者として優秀かどうか、という以前の問題だ。
政治任命した経営者をなぜ、経営者として政治は遇せないのだろうか。
古くは、日本航空会長に就任した伊藤淳二(カネボウ元会長)、
社会保険庁の村瀬清司(損保ジャパン元副社長)も、
政治任用されながら、政治的問題や課題に翻弄され、
経営者としての采配を満足にふるうことなく、
賞味期限が切れると退場させられていった。
小泉首相と会ったという情報があるが? と問われた西川は
「コメントできません」と吐き捨てるように言った。
西川は去った。骨は誰が拾うのだろう。
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